煙管筒 装いの喫煙具
2021年10月30日(土)
2022年1月23日(日)
煙草が日本に伝来したのは16世紀末と考えられています。当時は刻んだ煙草の葉を煙管(きせる)で味わう方法がとられ、煙管は喫煙のための必需品でした。
時代が下ると、外出先でも煙草を楽しむために喫煙具が携行されるようになりました。煙管を収納する煙管筒(きせるづつ)や、刻み煙草の葉を入れる煙草入(たばこいれ)などが発達し、裕福な町人らはオーダーメイドの煙管筒や煙草入を着物の帯から提げて持ち歩きました。
持ち主の好みに応じた様々な技法・素材・意匠の喫煙具は、次第にアクセサリーとしての役割も果たすようになりました。とくに煙管筒には、木材や象牙に彫刻したもの、蒔絵や彫漆で飾ったもの、細緻な籐編みを施したものなど多様な素材と技法が見られます。明治時代以降は帝室技芸員の手による作品も数多く残されました。
このたびの展示では、日本の工芸技術が最高の水準に達した幕末から明治・大正期の名品を中心に、 手技とこだわりが込められた粋な煙管筒の数々をご覧いただきます。