絹の輝き・繍の技 ―里帰りした刺繍絵画
2024年3月9日(土)
2024年6月2日(日)
明治時代に入ると、日本の染織品は室内装飾としての販路を見出され、絵画を模した額や屏風などが盛んに制作されるようになり、その多くが海を渡っていきました。これまでの衣類や生活雑貨から離れた刺繍絵画や天鵞絨(ビロード)友禅などの染織品は美術染織と呼ばれ、千總の西村總左衛門や髙島屋の飯田新七といった京都の呉服商によって、日本画家の下絵や海外の油絵をもとに制作されました。特に刺繍絵画は、その重なり合った絹糸の輝きによって、また、さまざまな刺繍の技法を用いることによって、ときに絵画を超えた写実性を見る者に感じさせます。
本展では、刺繍絵画の優品や未公開作品を中心に、同時代を彩った天鵞絨友禅も合わせて展示いたします。京都で生まれ、時を経て再び京都の地へ帰ってきた、美術染織の名品の数々をぜひご高覧ください。
※会期中、前期と後期で一部作品を入れ替えます。
前期:3月9日(土)~ 4月21日(日)
後期:4月24日(水)~ 6月2日(日)