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2月21日(土)〜5月17日(日)
 明治の彫刻には、木彫や牙彫だけでなく、漆を幾重にも塗り重ねて彫刻する彫漆(ちょうしつ)、さまざまな素材を彫刻して木や象牙に象嵌する彫嵌(ちょうがん)作品などがある。
 古来、人々は木、石、骨、牙、角、貝などの身近な素材を彫り刻み、生活道具や武具、そして神仏への祈りのため、様々な造形や装飾を生み出してきた。日本においては、仏教の隆盛とともに、豊富な木材を用いての造仏や建築装飾を中心に発達し、江戸時代までには仏師や宮彫師だけでなく、面打師や根付師など、各分野専門の彫工が出て、その彫技を競った。しかし明治維新に伴った風俗の変換や庇護者の喪失は国内需要を激変させ、多くの彫工が他業への転向を余儀なくされることとなった。一方で海外市場が開かれ、欧米人に人気が高かった根付などが貿易品として活路を見出し、欧米人の好みを反映した写実風の精緻な根付や風俗人物などの置物、多彩な装飾を施した調度品が大量に作られ、海を渡っていった。また国内においても内国勧業博覧会や各種美術展が開催されるなど、次第に活気を取り戻し、旭玉山や石川光明、高村光雲などの名工が出て活躍した。
牙彫 衝立/内藤旭松59.5x57.0x1.2cm

1:牙彫 松竹梅置物/安藤緑
  12.5x18.0x12.5cm
2:堆漆 紅蜀葵に蜂香合/逸見東洋
  径8.0cm
3:木彫 根付 竹の中の大工/森田藻己
  2.5x3.5x2.5cm
4:彫嵌 銀杏鳩図手箱/旭玉山
  31.0x22.3x10.5cm

 今回の展示では、高村光雲や石川光明、安藤緑山らの牙彫・木彫作品に加え、堆朱陽成や逸見東洋の堆漆作品、旭玉山、田中一秋らの彫嵌作品などを展示する。日本ではなかなか見る機会がない、明治の多様な彫刻美術をご高覧いただきたい。


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